フランス南部 オクシタニー・オーヴェルニュ・バスク地方のおすすめチーズ

オクシタニー地方

フランスのオクシタニー地方(Occitanie)はスペインとの国境沿いにあり、その地で生産された多種多様なチーズが地元のスーパーではお手頃な価格で販売されています。これから旅行される方におススメしたいチーズを紹介します。

スーパーに行くといろんなチーズが売られています。1kgあたり、もしくは1個あたりで購入します。どのくらいdu lait cru(生乳)が含まれるか、ミルクの種類(牛、ヤギ、羊)、熟成期間で価格も異なりますが、だいたい日本の半額以下で購入できるのでお得です。

Brebis(ブルビ)

フランスのチーズは、牛(vache:バッシュ)、ヤギ(chèvre:シェーブル)、羊(brebis:ブルビ)とさまざまな種類がありますが、オクシタニー地方南西の山岳地帯が連なるミディ・ピレネー地方(Midi-Pyrénées)は、高地で石灰岩の荒れ地が多い不毛地帯。羊の放牧が盛んで、羊の乳を利用したチーズBrebis(ブルビ)が多く生産されています。
羊と聞くとラム肉のイメージがありクセがありそうですが、Brebisはまろやかで食べやすく、スライスしてそのままワインと一緒に食べるのがいいと思います。

Brebis au Piment はトウガラシ入りのスパイシーなチーズ。トウガラシといってもすごい辛いわけじゃなくほんのりした辛味。ワインと一緒にそのまま食べるのがおススメです。価格は26€/kg。

Brebis au Fenugrecはフェヌグリークという地中海地方で採れる香辛料入り。こちらもそんなハーブっぽいキツさはかんじはせず食べやすいです。価格は25€/kg。

Morbier(モビエ)

私が個人的に好きなチーズに、Morbier(モビエ)という、チーズの中心に木の灰の黒い線が入ったコンテがあます。青カビみたいに見えますが、木灰です。灰部分に若干塩みがありシャリシャリします。昔からフランシュ・コンテ地方(Franche-Comté)で作られ、チーズの型に入りきらないミルクができ余ったミルクに虫が付かないよう、ミルクを温めるのに使っていた窯についた煤をまぶして次の日まで保管して、翌日、ミルクを足して、一つの大きな塊のチーズにしたため、チーズの間に黒い線が入っているそうです。価格は20€/kg。

Cantal(カンタル)

Cantal(カンタル)はフランス中央の山間部オーヴェルニュ地方(Auvergne)のカンタルで牛乳から作られるチーズ。古くから生産者は春から秋にかけて牛乳を搾乳し、夏の間に生産。冬がくる前に市場に出され多くの人々の食卓に提供されています。

熟成期間によって種類が分かれます。
Cantal Jeuneは1~2か月熟成。Cantal Entre Deuxは3~6か月熟成、Cantal Vieuxは6か月以上熟成。
チーズの見た目も熟成期間が短いほど白く、長いほど黄色味を帯びていきます。

お値段は熟成期間で異なり、1kgあたり、Cantal Jeuneは12€、Cantal Entre Deuxは14€、Cantal Vieuxは24€で販売されていました。

Laguiole(ライオル)

Laguiole(ライオル)は、カンタルと同じく、フランス南部オーヴェルニュ地方のライオルで牛乳から作られるチーズ。この地の郷土料理に「アリゴ(aligot)」という、チーズにジャガイモやニンニクを混ぜ合わせて餅のように粘度がある料理がありますが、そのチーズに使われるのがライオルチーズです。

Raclette(ラクレット)

Fromage Fume pour Raclette(ラクレット用のスモークチーズ)は、ラクレットという、チーズの断面を直火で熱して溶けた部分を削いで皮付きのジャガイモに絡めて食べる料理に使われるチーズです。

生乳からチーズを作り、3か月間ほど熟成させ、その後、ブナの木とジュニパーで24時間燻製させて作られます。 味と香りが強く香ばしいチーズです。

家庭でラクレットを作る際にオーブンで熱したり、、、というのが面倒な場合は、このラクレットチーズをスライスしてジャガイモの上にのせて電子レンジでチンすれば簡単にできあがります☆彡

Saint Nectaire(サンネクテール)

Saint Nectaire(サンネクテール)は、オーヴェルニュ地方のサンネクテール村で、牛乳から作られるチーズ。

生産者によって「Fermier」フェルミエ(農業製)と「Laitier」レティエ(工場製)の2種類があります。農業製で藁の上で熟成させたものは藁とカビによって強い香りがあるクセの強いチーズで、冷蔵庫の中でひときわ存在感を放ちます。一方で、工場製のものはクセも少なく食べやすいです。

Bethmale(ベトマル)

Bethmale(ベトマル)はオクシタニー地方のピレネー山脈近くアリエージュ地方のベトマルで、牛乳から作られるほんのり黄色いチーズ。未加熱の生乳から作りますが、凝乳をあまり強くプレスしないため、凝乳が固められた際の穴がそのまま残っています。

Savoie(サボワ)

Tomme de Savoie Fermière はサボワの標高1,000メートルの高原で、色とりどりの高山植物を食べて育った牛の未加熱の生乳から作られます。*トム(Tomme)は高原で作られるチーズの塊の総称です。

10 週間熟成されると黄色味を帯びたチーズに。また、熟成される際のカビで外側は灰色です。

いかがだったでしょうか。フランス南部、昔から高地でさまざまなチーズが作られ、今に伝えられていますね。

それぞれのチーズに良さがあり、酪農家が助け合いながら伝統を守りつづけているようです。

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